メッセージ募集

「無縁社会」について、皆さんはどう思いますか?

「無縁社会」について、思い描くイメージは人それぞれかもしれません。
このページでは、さまざまな皆さんからの“メッセージ”をお伝えします。

有事の際にこそ支援の手を! new!一般社団法人兵庫県医師会 会長 川島 龍一さん

社会的要援護者(高齢者のみの所帯、心身にハンディを抱えておられる方々、難病の方々、重度の在宅医療・介護を受けておられる方々等)と呼ばれる方々は、目立たぬようひっそりと日々暮らしておられます。
有事の際(大災害時、新興感染症襲来時、大規模テロ発生時等)には、この方々の安否確認をまず行わねばなりませんが、阪神・淡路大震災時、これらの方々への行政による系統立った安否確認が大幅に遅れ、救助の手が差し延べられなかったという苦い現実があります。東日本大震災への支援に駆けつける際、そのような事態が再び起こっていませんようにと願いながら、石巻中学校内に救護所を開設したのですが、やはり同様の事態が発生いたしておりました。
視力を失っておられる方、寝たきりで褥瘡に苦しんでおられる方、義足と杖を波に奪われ身動き出来なくなった方等、自力では移動不能な方々が7名、小さな保健室に押し込められ、石巻中学の先生と地元の看護学生さんにより何とかお世話をしてもらっておりましたが、医療・介護ケアは全く施されておりませんでした。
このように災害時には多くの社会的要援護者の方々が取り残されてしまう可能性が大きく、たとえその方々が避難所に収容されたとしても、水も電気も食料も途絶え、プライバシーも無い生活環境では、持病の悪化や余病を併発し災害関連死という結末を迎えてしまうという状況が生まれました。
南海トラフ地震に備え、震災発生時にはこれらの方々を大型フェリーや客船に収容し、その船を避難所として使用し、生活環境の整う中で医師会を中心にした包括ケアチームによる通常の医療・介護ケアの提供を行う構想を現在国に強力に働きかけております。皆さま方の御支援をよろしく御願い申し上げます。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」9月号より)

地域での仲間づくりを老人クラブで new!公益財団法人兵庫県老人クラブ連合会 会長 田中 讓治さん

少子高齢化が進む中、家族形態の変化や価値観の多様化などにより、人と人との関係が希薄となり、私たち高齢者にとって大変住みにくい社会になっているのは残念なことです。一人暮らしや夫婦二人暮らしになどによる高齢者が孤立した状況を変え、無縁社会を無くすには、地域における仲間づくりが大事ではないでしょうか。
新しい仲間をつくるのか、今ある仲間の中に入っていくか。簡単なのは今ある仲間に入っていくことです。老人クラブは、皆さまの加入を心よりお待ちしています。
 各地の老人クラブでは、以下の活動を展開しています。
・地域における仲間づくりを進め、外出機会を増やし、高齢 者の閉じこもりを予防
・虚弱な高齢者を支える「友愛訪問」「いきいきサロン」を展開
・高齢者向け体力測定による体力チェック、健康ウォーキング、健康体操、シニア・スポーツの普及による体力維持の健康づくりを推進
・悪質商法被害防止、交通安全、地域安全見守り活動を積極 的に推進
・地域の保育園・幼稚園・小学校と連携し農作物等の生産活動・伝承活動・昔遊び活動などを実施
・住民参加型の各種イベント行事に参加・協力
以上の他にもさまざまな活動を行い、高齢者の経験と知識を発揮する場になっています。ぜひ老人クラブに加入して、「ストップ・ザ・無縁社会」を目指そうではありませんか。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」7月号より)

地域になくてはならない生協へ new!生活協同組合コープこうべ 組合長理事 本田 英一さん

コープこうべでは、毎週同じ曜日に地域を訪問し、組合員からご注文いただいた商品を配送するという宅配事業の機能を生かし、行政が行う高齢者見守り活動への協力を行っています。平成25年8月には兵庫県が支援する「兵庫県地域見守りネットワーク応援協定」を締結し、これまで兵庫県内16市2町とも個別に協定締結をしています。
担当者が配達先で「何度訪問しても応答がない」「配達時に新聞がたまっている」など、「いつもと違う」組合員の様子に気付いた場合、コープこうべの事業所から行政の指定する窓口に連絡することで、高齢者が事なきを得た事例が報告されています。
また、コープこうべの組合員は自主的にさまざまな福祉活動を行っています。その中でも、「誰かが少しだけ手伝ってくれたら助かるんだけれど・・・」という声から生まれた、組合員同士の支え合いの活動が「コープくらしの助け合いの会」です。地域の高齢者や子育て家族など家事の手助けが必要な利用会員を奉仕会員が手伝って支えています。
「ストップ・ザ・無縁社会」の幹事団体の一つとして、引き続き地域社会のお役立ちができるよう、さまざまな取り組みを進めてまいります。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」6月号より)

人は一人では生きられない兵庫県消費者団体連絡協議会 会長 幡井 政子さん

お盆に、久しぶりに帰って来た子ども達の家族が揃い、食後に女性達の楽しいおしゃべり会が始まった。私はここぞとばかりに、「無縁社会をどう思うか」と質問した。
「プライバシーや個人情報等の縛りがあるので、いくら手を差し伸べても拒絶されれば深入りできない」「今は皆がわがままなので人の事はほっといてくれと言う。お節介役はしたくない」「私も家計を助けないと子どもも良い学校に進学させられない。ボランティアをしている余裕はない、家族の絆が大切だ」などなど。「高齢者は生活環境が大きく変わっている事を認識していない、若者から敬遠されないようにしないから無縁になるのだ」と厳しい声もあった。
続いて「裕喜はどう思う」と曾孫に問いかけた。「僕はいつもお母さんに、『一人では生きられないのよ、牛や豚や沢山の命をいただいて生かされている、だから感謝の気持ちを忘れては駄目よ』と言われているからわかっているけど、友達は皆知らないよ。学校で子どもの時から勉強したら、大人になったら無縁社会なんてならないよ」と答えてくれた。私は思わず「賢い」と曾孫の頭を撫ぜた。
これは私の家族のほんの一時の会話かもしれないが、今後の活動に大きなキーワードが隠されているように思う。消費者団体では特別なテーマとして取り上げてはいないが、会員は「ストップ・ザ・無縁社会」の意義はよく認識しており、日頃の消費者活動に組み入れ、取り組んでいる。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」10月号より)

繁栄とともにある本当の幸福とは神戸市社会福祉協議会 前理事長 今井 鎮雄さん

20世紀に続いてきた産業社会の中で、技術革新の進展などにより、日本の社会は著しい繁栄を遂げてきました。その繁栄の中で、私たちの生活も豊かになりましたが、一方で、産業構造の変化とともに、都市化、核家族化が進み、さまざまな価値観やライフスタイルが現れ、血縁、地縁に基づく家族や地域社会における人と人のつながりが希薄化してきました。
繁栄が本当の意味での幸福といえるのかどうか、今一度立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。
「孤立化」が引き金となって、孤独死、虐待、ひきこもりなど、さまざまな生活問題がおこってきている中で、今こそ、助け合いや支え合いという絆を家族や地域社会の中に再生していくことが求められています。
平成25年1月に、本会では、「第6回全国校区・小地域福祉活動サミットinKOBE・ひょうご」を開催し、地元兵庫をはじめ、全国各地から多くの小地域福祉活動の実践者である住民や協働する専門職の皆さまにご参加いただき、活発な意見交換・交流を行い、共生社会や社会的包摂に向けた地域社会における絆の創造や再構築の重要性とともに、そのことへの関心の高まりを
確認することができました。
今こそ、「無縁社会」と呼ばれる社会状況を私たち一人一人が見つめ、お互いにつながり、支え合える社会を住民の方々と創っていくことを考えていきましょう。その先には、きっと豊かで幸福な社会があるのではないでしょうか。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」9月号より)

経験から得たことをつなぐ神戸市婦人団体協議会 会長 玉田 はる代さん

私たちが経験した18年前の阪神・淡路大震災の時には、公的支援の前にまずご近所の支援に勇気づけられました。その後、「自助・共助・公助」の大切さが合言葉となりました。
しかし、本格的な高齢化や婚姻率の低下に伴う出生率の低下により、現状は変化してきました。住居形態も高層マンションやワンルームマンションが多く建ち、オートロック式が増えています。「隣の人は何する人ぞ」と地域への参加を拒否されるケースが多くなっています。
過度ではないかと思われるくらいの個人情報保護のカベに、一歩前に進むことができず痛ましい悲劇が後を絶たないのが今の社会の現状ではないでしょうか。また、急速に変化する社会情勢に不安を感じ、対応しきれないこともその原因の一つと思われます。
この社会現象の一つの対策として、神戸市婦人団体協議会では、相互扶助を目的に、「ファミリーサービスクラブ」を再結成いたしました。母や祖母として、ご近所の立場から支援を希望される家庭に応援に参ります。若い核家族や、介護保険の隙間を埋めるため、高齢者の日常生活での困りごとの支援をするシステムです。
例えば、乳幼児のいるご家庭に沐浴の手伝いや食事の準備を行い、高齢者宅では、重い荷物の移動や掃除、草引き、買い物、病院の付き添いなどの依頼に対応しています。少し利用料をいただきますが、地域で安心して顔の見える支援に取り組んでいます。「無縁社会」を少しでも無くしたいという思いで活動をしています。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」8月号より)

「企業=法人」として地域社会にいかに向き合うか兵庫県経営者協会 会長 寺崎 正俊さん

企業は法人ともいう。社会において活動するのは自然人(個人)だけではなく、法的人格を付与された「企業=法人」もまた社会の一員として活動する。
つまり、「企業=法人」としての社会との付き合い方を考えると、「企業=法人」は単独では存続し得ない。社会の持続的発展に寄与することで初めて「企業=法人」は存続し得るものと考える。
さて、戦後の高度成長期の企業は小さいながらも青年期の若々しさをもって、立地する地域の中で、地域住民とも「花見」「夏祭り」「運動会」などを通じて交流が盛んであった。この種の付き合いから、自然に企業と地域社会との友好的な関係も生まれていた。このような姿も地域社会における企業のあるべき形の一つであったし、今日的にもこのような良好な関係を保っている企業は幾つもある。この姿だけを特に強く推奨するものではないが、心温まる懐かしさと、将来に向けた希望が湧き上がるのは禁じえない。しかし、経済が著しくグローバル化した現在、企業の活動範囲が広がり、地域社会との付き合いは希薄になっているところも出てきている。
今後の、「企業=法人」のありようとして、特に立地する地域社会に関係をもたない「無縁」ではなく、自社なりの「有縁(うえん)」を判断し、ともに持続的に発展する道を探っていくことも必要であると思う。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」6月号より)

「生きる」ことは「つながる」こと一般社団法人兵庫県子ども会連合会 理事長 小林 勝弘さん

近所のおっちゃん、おばちゃんの子どもを叱る声が、地域から聞かれなくなって久しいような気がします。
かつては、どこでも子どもたちの群れ遊ぶ姿が見られ、そこに大人も面白がって関わっていたものです。
地域からそういう様子が消え、人と人との間にコミュニケーションが失われ、何かにつけて相談したり、助け合ったりできるような隣近所の関係を望む人が減ってきたといわれています。その結果、現れてきたのが、児童虐待、孤独死、さらには自殺というような「無縁社会」と呼ばれる現象です。こういう社会不安は、決して他人事ではありません。
兵庫県子ども会連合会では、昭和28年の発足以来、「群れて遊ぶ体験の大切さ」を提唱してきました。
子どもたちは、遊び体験の中で、人との距離感やふるまい方、表情、言葉の選び方などを自然に身につけてきました。つまり、人間が生きていくための最も重要な「つながり」というものを遊びの中で学んでいたのです。
同時に、そこに関わる大人たちも、「生きる」ことを学んできました。人とのつながりを大切にしてきたおかげで、共に助け合い、共に生きることができたのです。
近年、地域での役割を担うことを嫌がる人が増加しています。しかし、それは人が「生きる」という上で最も重要な学びを手放すのと同じだと考えられます。
子ども会は、人が生きることの基本的なルールとしての「つながり」を、これからの地域社会を担う子どもたちが身につける場となり、地域の期待に応えられるよう力を尽くしていきたいと考えています。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」5月号より)

「組縁」を育て、無縁化ストッパーに日本労働組合総連合会兵庫県連合会 会長 森本 洋平さん

戦後のベビーブーム下に生まれ、周囲には同年代の子どもたちが溢れていた。中学生になると教室は机で一杯となり、先生が生徒の勉強ぶりを観察して回るのも窮屈そうだった。教室が不足し、運動場に仮設したプレハブ教室で授業を受ける生徒もいた。アメリカ製ホームドラマで、同年代の子どもが個室に寝起きし、近隣に口さがない血縁者がいないという状況は、うらやましい限りだった。団塊の世代は群れたがる、との定説とは逆に、個人化を希求する心理も強くもっていた。重いもの、煩わしいものを脱ぎ捨て、身軽でドライなライフスタイルに憧れた。
目的は達成された。そして私たちはいま、「無縁社会」という重くて寒々しい言葉と向き合わなくてはならない時代を生きている。どこかで道を間違えたことは確かだが、その詮索よりもいまはともかく、夜明けを待つ遭難者の群れのように、互いに温め合って頑張りたい。
私は労働運動に携わっており、現役就労年齢の人々が主な構成員だ。私を含めほとんどが、職場・家庭といった枠の中で生きている。枠から枠へ電車移動する生活で、無縁を実感することなどほとんどない。
だが、その縁の枠は、それほど強固なものだろうか。地縁・血縁・社縁に加え、組縁を築き育んで、仲間たちの無縁化を防ぎ、ひいては社会の無縁化のストッパーになりたいと考えている。
死は均一な結末だが、そこに至る道筋には厳然たる差異が存在する。尊厳ある生を。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」4月号より)

地域の安心を支える民生委員児童委員兵庫県民生委員児童委員連合会 会長 加納 多惠子さん

近年、核家族化や単身世帯の増加などに伴う社会的なつながりの希薄化が叫ばれる中で、特に子育て中の親子の孤立化が問題になっています。
兵庫県民生委員児童委員連合会では、このたび10年ぶりに「児童委員活動事例集」を発刊しました。124の県内の民生委員児童委員協議会が日常の児童福祉の活動の中から事例を発表しています。半分が個別援助(児童虐待)、残り半分が健全育成・子育て支援に関する活動です。
県内1万人の民生委員児童委員による地域でのSOSのキャッチは、地域で孤立しがちな親子の安心につながるものです。児童福祉を主に担う主任児童委員も、10年前から3歳児健診を未受診の子どもの家庭訪問を行いながら、不適切な養育を受けている子どもを発見し、関係機関につなぐことを行ってきました。今では地域における主任児童委員の大切な責務と活動範囲の広がりを実感できるまでになりました。
事例集の発刊を機に、県内における活動がさらに盛り上がるとともに、養育者による子どもへの不適切な関わりがなくなり、すべての子どもたちが未来に向かって大きな希望と夢を持ち成長してくれることを願っています。
「無縁社会」を越えるためには、静かなやさしさ、そして息の長い見守り支援が大切です。民生委員児童委員としても、地域住民の立場に立ち、きめ細かな相談・支援活動を行ってまいります。地域の皆様の温かい応援、ご協力をお願い申し上げます。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」2月号より)

地域のおせっかいを今一度兵庫県商工会連合会 会長 木南 岩男さん

親が我が子を虐待する。子が親を遺棄する。生徒が優先座席に大股で座る。通勤電車で若者が朝食を食べ、化粧する。こんな報道や光景がよく目に触れる時代になったと思いませんか?
私は専門家ではないので、それらの現象をどうこう論じる気はないが、戦後、自分が青年であった頃と比較することならできる。
昔は、どこにでも口うるさい親父とおせっかいなおばさんがいて、自分の子でなくても、していいこととしてはいけないことをあれこれと口出ししたものだ。
ガキ大将と呼ばれる上級生が、近所の下級生を統率し、遊びの中で悪さの許される極限を教えていた。つまり、地域が子育てを担っていたともいえる。
最近は、少子高齢化や核家族化が急速に進み、我が家は我が家、隣は隣の風潮が蔓延し、特に都会では、青年団もなくなり、自治会活動も沈滞している所が多く見受けられ、地域コミュニティにおせっかいが期待できなくなってしまったことが、無縁社会
を生む要因ではないだろうか。
商工会は、主に郡部で中小企業・小規模事業者の経営改善普及事業を担うのが本務であるが、市町行政の地域コミュニティ維持活動や警察行政の青パト活動など、地域社会全体の活性化に向けた取組みにも尽力しており、「ストップ・ザ・無縁社会」の実現にも鋭意努力をしてまいりたい。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」1月号より)

今こそ“家族の絆”の復活を!兵庫県連合婦人会 会長 北野 美智子さん

戦後、日本人は個人の権利と選択による生き方を至上のものとしてきましたが、経済発展とともに個人の生活が核家族という形態に変化し、家族を中心とした生活が崩れてしまいました。その結果として、我が国は少子高齢化の先進地として、“無縁社会”といわれるような、希望の持てない国になりつつあります。
まだ遅くはありません。今こそ“家族の絆”を取り戻し、自分を今日まで育ててくれた親や社会からの恩を返していくという責任を、一人ひとりが持たなければなりません。いじめの事件が問題になりましたが、何より自分の子どもは自分が守り、親としての責任を果たすべきだと感じています。
その上で、「向こう三軒両隣」という古き良き言葉にみられるような地域の再構築が必要です。隣の家の雨戸が閉まったままなら、「おじいちゃん、大丈夫?」と声をかけるのが普通であり、そうすることで孤独死は自然と無くなるでしょう。そして最後に、家族や地域ではどうにもできない部分を公が担うという「公助」が来るのだと思います。
地域で何かを行う時に核になるのは、やはり婦人会や自治会、子ども会です。それらが一体となってはじめて地域の活力が取り戻せると思います。兵庫県連合婦人会では、これまでの歴史と組織力を継承して、婦人会活動を一層活性化させながら、人としての生き方を次の世代に引き継いでいくことの必要性を感じています。(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」1月号より)

地域の実態把握から「無縁社会」に歯止めを朝来市社会福祉協議会 会長 戸田 幸男さん

急速に進む少子高齢化、雇用・家族形態の変化は人口の減少を招き、山間部では限界集落が増加し、集落の運営ができなくなっている。さらに、価値観の多様化とライフスタイルの変化により、世間の煩わしさから逃れ、孤独を好む人も少なくない。無縁社会といってもその実態はさまざまである。
そこで朝来市社協では、地域の実態と課題を把握するため、小学校区を担当する「地域支援員」を配置し、各地区の役員、民生委員とともに活動している。
また市社協では、高齢者のふれあいを図るため「地域交流拠点とまり木サロン」を開設した。飲み物はすべて100円で、毎日30~40人の利用が絶えない。木曜日には近隣農家の協力を得て新鮮な野菜を販売する朝市も開催。遠くに買物に行けない高齢者など多くの利用者でにぎわっており、地域社会からの孤立化を防ぐ大切な場所となっている。
さらに、各地区の公民館や空き民家を利用し、民生委員やボランティアの協力による「ふれあいいきいきサロン」を推進し、高齢者のいこいの場所として広がりつつある。これに加えて、安否確認を兼ねた「配食サービス」も行っているが、これらだけでは無縁化を防ぐことはできない。
公的制度の見直しや早急な支援体制の整備と地域内の住民同士によるつながりを大切にした自主的な取り組みが、無縁化・孤立化の歯止めにつながると考えている。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」11月号より)

無縁社会を生きる~いのちの大切さ~宗教学者・国際日本文化研究センター 名誉教授 山折 哲雄さん

無縁社会にストップをかけるために、どう私たちは生きていくべきか、3つのテーマでお話しします。まずは『いじめ』の問題です。小説『蠅の王』で描かれたように、西欧では子どもたちは放置すれば限りなく野生化していく、という考えが共有されていました。しかし、我が国では子どもたちの世界に対する関心が強くなかった気がします。今回のいじめ事件では、明らかに子どもの野生化の片鱗が現れていますが、それに対して日本の社会、学校・地域・家庭がどう考えているのかを心配しています。いじめの加害者を犯罪者のように扱うのは危険です。加害者と被害者という二元論から自由になることが、人として必要ではないかと思います。
また、『自殺』の問題については、日本の歴史の中に多く存在する切腹や心中、文学者の自殺の背後にある、『地上にあるもので永遠なものは一つもない』という“無常観”について、教育の場や地域社会で考えていく作業を抜きにしては解決できないと思います。最後に、『人間関係』の問題です。無差別殺人や詐欺事件が広がりを見せる中で、学校や家庭で『他人を信用するな』と教え始めている気がします。正しい倫理観や思想信条を持ち、人を信じることが最大の価値であることを教えていかなければ、日本社会は崩壊するでしょう。
(全県キャンペーン推進協議会設立総会記念講演会の内容より抜粋)

子どもって元気で素晴らしい!アメニティホーム広畑学園 園長 吉田 隆三さん

「子どもは未来」と言われますが、社会的養護の現場では、全国で4万5千人余りの子どもたちが、実の親ではなく、施設または里親の下で養育を受けています。広畑学園では、現在75名の定員のところを72名の子どもたちと生活しています。子どもたちとの触れ合いの中で感じるのは、「子どもって元気で素晴らしい!」ということです。子どもは自らの命を守ります。与えられた環境を自分の都合のいいように適用させていこうとします。子どもたちが自分を守るために表現してしまう暴言や暴力、その本音は「愛してほしい」「守ってほしい」「私は一人ぼっちじゃない」という言葉です。その表現をうまく親から教えてもらえなかった結果、下手な対人関係というかたちで表現してしまうのだろうと思います。
子どもは社会の宝です。子どもはどんな環境でも生き抜いていきます。どうかお願いします。かわいそうな子、さみしい子という慈悲の言葉だけではなく、「子どもって元気で素晴らしい!」という励ましを、どうぞよろしくお願いします。
(全県キャンペーン推進協議会設立総会での発表から)

小さな行動を起こすことから広がる地域の輪青山1000人会 代表 岸岡 孝昭さん

私の暮らす地域は、姫路市郊外の青山という地区で、人口約1万2千人です。地区内には公営住宅が多数あり、高齢化率が50%越えている地区もあります。コミユニティ活動が危機に直面し、婦人会、老人会、子ども会などが消滅し、何か問題が起こっても他人事で片付け、連帯感が薄い地区でした。青山1000人会は、この私たちの地域で起こったある事件を契機に「自分たちの街は自分たちで守ろう」と民生委員・児童委員が中心となって住民に呼びかけて立ち上げた団体です。
「なんとか地域を良くしたい」という人が千人集まれば、地域も変わっていくだろうと考え、3つの取り組みテーマを掲げました。1つ目は「地域課題を知ること」です。ワークショップを開き、子育て中の親にアンケートを行いました。その結果、「住民が集う居場所がない」「自治会活動が見えない」「子ども会活動が負担になる」などの課題が浮き彫りになりました。その解決策として、まずは地域を知り、地域に誇りをもとうと「地域ふれあいウォーク」を実施し、地域の社会資源や地域の成り立ちを学びました。
2つ目の「居場所づくり」では、県民交流広場事業を活用して、子育て中の親子が楽しく集える「親子なかよし広場」や高齢者が集う「ふれあいサロン」開き、「あなたのことを見守っているよ」とメッセージを届けています。
最後の「世代間交流」では、「昔遊び・伝承遊びフェスティバル」を行い、遊びを通してルールを学び、世代を越えて触れ合う楽しさを提供しています。
「無縁社会」は、みんなの課題です。課題に気づいた人たちが、声を上げ、小さな行動を起こすことから、その輪が広がってくると思います。前例にとらわれず、市民活動団体と自治会などの地縁団体が連携することで、「住んでよかった」と思われる地域になっていく。ゆるやかなネットワークが住民意識を変え、少しづつですが連帯感が生まれつつあります。
(全県キャンペーン推進協議会設立総会での発表から)

つながりのある社会づくりに向けて若者にできることひょうご若者災害ボランティア隊 隊長 藤原 慶一郎さん

「ひょうご若者災害ボランティア隊」は、今年6月に結成された、県内の災害ボランティア登録の仕組みです。現在、災害ボランティア活動を行った経験がある30歳未満の方を対象として合計115名が登録し活動しています。
私が入隊しようと思ったきっかけは、兵庫県から被災地へ一緒に行ったボランティアの方が、「阪神・淡路大震災でお世話になった恩返しをしたい」と言っておられる意気込みを聞いたり、被災された方の、「遠くからわざわざ来てくれてありがとう」と涙を流してお礼を言っておられる姿を見て、兵庫県に生まれたものとして、被災地のために私も少しでも役に立ちたいと感じたからです。
私たちは、普段、「当たり前の生活」を過ごしていますが、災害が発生するとその「当たり前の生活」ができなくなります。特に高齢者や障害のある方、子どもたちなどは、「当たり前の生活」を一人ですることはもちろん、一人で「当たり前の生活」ができるようになるまで復旧することが大変困難になります。やはり緊急時こそ、平常時からのつながりを発揮し、助け合いながら復旧・復興に向かうということが重要になってくると感じました。
今回の東日本大震災、和歌山県の水害等の被災地を訪れた時、地元で協力して一人暮らし世帯や高齢者世帯の家屋から泥出しやがれき撤去をしている姿を見て、また地元の団体の職員が高齢者世帯に声をかけて回っている姿を見て、あらためて平常時からのつながりというのが大事だと感じました。
「無縁社会」と言われますが、これ以上、無縁でつながりが薄い社会でいいのかどうか、特に若者が考えて取り組んでいかなければいけないことは多くあると感じています。災害発生時、地域で助け合いながら迅速に避難できるよう、地域でゆるやかにつながれる新しい社会づくりに向かって、私達若者にできることに一生懸命取り組み、一歩一歩進んでいきたいと考えています。
(全県キャンペーン推進協議会設立総会での発表から)

親同士のつながりから、子育ての不安を楽しみへ子ども家庭支援センターキャンディ(尼崎市)主催
「ノーバディーズ・パーフェクト」プログラム第7期生の皆さん

はじめての子育てで、不安がいっぱいでした。夫とは、子どもと関わる時間が違うので分かち合えないところがあるし、母・義母をそんなに頼るわけにもいきません。
市の広報誌やネットで「まちの子育てひろば」が地域にあると知り、参加したのはまさに「つながり」を求めてのことでした。特に、スタッフの方に誘われて参加した「ノーバディーズ・パーフェクト」のプログラムでは自分と同じ立場の人が集まり、「1日、どんな風に子育てして過ごしてる?」と、お互いに聞くことから始まりました。子育てで気になることをアドバイスしてもらえて参考になるし、何より「誰にもわかってもらえない」と思っていたことを分かち合える仲間と場ができてホッとできるんです。
同じまちで暮らしながら存在を知らなかった私たちが、児童家庭支援センターを通じて出会いました。日常の生活をともにする家族や友人、他の「ママ友」とも違う、深い部分でつながりあった存在です。
毎日の生活や子育ての不安が一変したわけではありません。しかし、「私一人ではない」ことに気づき、少し楽になりました。そして、子育ての楽しみが大きくなりました。今後も私たちは定期的にここに集い、つながり続けたいと思います。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」8月号より)

「焦げてますよ」の声かけができる地域を認知症の人と家族の会兵庫県支部 代表 酒井 邦夫さん

―「無縁社会」と呼ばれる社会状況をどう見るか。
「現代は冠婚葬祭なども業者に頼むことが増え、地域の中でお互いに声をかけあうことが少なくなっている。認知症の人のことも、頭では理解していても、一度関わることで頼られてしまうと困るという心理が働き、「あの人最近おかしいのでは」と近所の人が感じながらも、結局声をかけないままに終わってしまう。「無縁社会」の流れを戻すのには時間がかかるだろう。
―「無縁社会」を乗り越えるためには何が必要か。
「24時間の見守り」と言われるが、現実には不可能だし、その必要もない。例えば、認知症の人が、鍋の火を消し忘れるという不始末を起こすと、近所の人は「火事を起こすのでは」と心配する。たった1回火を消し忘れただけで、「認知症」という固定観念から、その人が調理することのすべてを否定されてしまうのである。近所の人が、朝・昼・晩の食事時に注意を寄せてあげるだけで十分ではないか。それもできなければ、焦げた匂いが漂ってきたら、声をかけてあげればそれで済むはずだ。
まずは近所で顔を合わせたら挨拶をすることで、顔の見える関係ができ、地域も変ってくるはず。SOSを出しやすい雰囲気をどう作るかが大切である。「バラ公園ネットワーク」のような取り組みの成果が広く共有され、地域の仲間づくりの輪が広がっていくことを望みたい。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」6月号より)

温かい思いやりのある社会づくりが大切兵庫県手をつなぐ育成会 理事長 小原 冷子さん

―「無縁社会」と呼ばれる社会状況をどう見るか。
最近、相次いで痛ましい孤独死の事件が報道されている。本人たちが隣人や仲間につながり、衰弱していることを周囲がキャッチできていれば助かったかもしれないが、そういうことは一切なかったのだろうか。
昔は、地域の中にお節介で世話焼きな人が必ずいて、お互いに損得なしで支え合っていたものだ。競争社会の中で、人の温かみを知らない人が増えているのではないか。自分から「助けて」と言わなければ支援の手が届かない社会は、やはりおかしい。
―「無縁社会」を乗り越えるためには何が必要か。
宅配業者などが住人の異変に気がつくということもあるようだが、まずは身近な地域で隣人や仲間がアンテナを張り、お互いに見守り合うということが大切だ。サービスがあればいいというものでもない。私の住む地域では、知的障害を持つ子の親が80歳を超えているという家庭が増えている。子がケアホームに入ると家に一人になってしまうことから、親同士で「いまどうしてる?」と電話をかけあうことにしている。本人が「助けて」と言いにくければ、周りから声をかけ合おう、という発信をみんなでしていくべきだ。もっと人に頼ることを負担に思わない社会になればと思う。行政や社協には、そのようにお互いを思いやる心を育てる社会づくりに向けた発信を、ぜひお願いしたい。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」6月号より)

セルフヘルプグループから見る「無縁社会」ひょうごセルフヘルプ支援センター 代表 中田 智恵海さん

2010年に放映されたNHKの「無縁社会」が今もなお反響を呼んでいる。自死、児童虐待、孤独死などといった、近年多発する多様な問題に共通するものは何かを探っていけば、地縁、血縁、社縁が希薄になっている社会の特性が浮かび上がってきた。番組ではそれを「無縁社会」と呼んだ。墓参すれば必ず眼にする「無縁仏」、老いた母親のささやかな人生を歌ったさだまさし作の「無縁坂」。いずれにしても“無縁”とつけば、その寂しさや哀しみが思い起こされ圧倒される。
昨年、数々あるセルフヘルプグループ(以下、「SHG」)の調査を行った。SHGが課題とする点については置いておくが、全てのSHGに共通した望みは「つながりたい」と「分かってほしい」であった。SHGでは、一人では解決や軽減の困難な生活課題を抱える人々がつながりあって自分たちで課題に積極的に主体的に向き合い、その解消や軽減を図ろうとしている。元々、SHGは生活課題を抱えて利用できる社会サービスもなく孤立した人たちで構成されている。つまり、“無縁状態”に陥った人たちである。SHGはそうした人たちがつながりあって力をつけていく場であり、さらに仲間同士だけでなく、地域社会に向かって自分たちの生きづらさを理解してほしい、と発信して理解を求めてきた。SHGに関わる人たちは、「無縁社会」とことさらにマスコミで取り上げられることに違和感を覚えているに違いない。SHGが何十年も前から苦悩し、それに向き合って実践してきたことなのだから。
(兵庫県社協機関紙「ひょうごの福祉」6月号より)

ぜひ、皆さんからもメッセージをお寄せください!

「ストップ・ザ・無縁社会」全県キャンペーンでは、皆さんからのメッセージを募集しています。ぜひ、あなたの率直なご意見を聴かせてください。

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